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専用バスで約40分で到着したポンペイのアグリ・ツーリズモ施設、「ヴィヴィ・ナトゥーラ」。そこでは明るく晴れた空のもと、広々とした庭と農園が広がり、噴水では子供たちが遊んでいました。オーナーのフランコ・サンソーネさんのおじいさんが昔から住んでいた農園を、1997年に現在のようなアグリ・ツーリズモの施設にしたもので、一般の旅行者も受け入れるとともに、小学校の生徒などにカンパーニャ州特産の産物を教える場にもなっているのです。広い敷地の中、プールや東屋のある庭の奥には、果樹園が広がり、畑ではじゃがいもやトウモロコシが育ち、ろばや馬、豚や鶏など、家畜たちも飼われています。頭上からは小鳥の鳴き声、空気はかすかに花の香を含み、ここでは時間さえゆったりと流れていくようです。








ここでは、食べ物だけでなく地元の工芸品も子供たちに見せているということで、ツアーメンバーが訪れた時はちょうど、アマルフィ海岸のヴィエテリという陶器の産地から陶器職人さんが来ていました。そこで、チーズ作りの見学の前に、その製作デモンストレーションを見せて頂きました。粘土の塊が器に姿を変えていくのを目の当たりにし、鮮やかな手並みに、思わず見惚れます。


そして、お次はいよいよモッツァレラチーズ作りの見学。モッツァレラは、カンパーニャ州のナポリを中心とする地域が産地で、原料は水牛の乳。ただ、最近は水牛が減り、また他の地域でも作られるようになり、牛乳で作られたものも多く出回っています。でも、牛乳は水牛の乳より乳脂肪分が低いため、どうしても水っぽい味になるそう。そして、モッツァレラは熟成しないフレッシュなチーズで、鮮度が命。水牛を使ったできたてのモッツァレラこそ本物の味、ということで、期待は高まります。
チーズ作りの道具と材料を携えたチーズ職人さんがやってきて、その一部始終を見せてくれました。できあがって、そのモツァレラを試食させてもらったら、歯に心地よい弾力があって、クリーミーでありながらさっぱり。「鮮度が大切」と言われることをなるほど!と納得するおいしさでした。







また、同じ材料からカチョッタ、リコッタもできます。カード(固まった水牛の乳)をこねずに、少しの塩を加えて型に詰め、水を切ればカチョッタの出来上がり。カチョッタは農場チーズの総称で、こういうフレッシュなのも、熟成させるタイプもあるそうです。
一方リコッタは、抜いた液体、ホエーのほうを使います。ホエーには、レンネットで固めきれない水溶性たんぱく質が含まれています。そこでホエーを90度ほどに加熱し、たんぱく質を熱で固まらせて作るのがリコッタ(ホエーに新たに牛乳や生クリームを加えて作ることもあります)。乳糖が多いのでほのかに甘く、お菓子によく使われて、スフォリアテッレ、カンノーリなどになくてはならないチーズです。


見学の後はランチ。さっき作った鮮度抜群のチーズが、生ハムやオリーブと一緒に盛られ、ともに味わうのはこの土地でできたワイン。本当の贅沢はこんな食卓かもしれないと感動していたら、さらに大きなピッツアも運ばれて来るではありませんか! 感動して胸いっぱいになったばかりでなく、おなかもきちきちにいっぱいになり、南イタリアの食の豊かさを体感したランチでした。






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